食養生
少食と長生き
有史以来、人類は飢餓との戦いでした。
そのような厳しい環境の中で、人間の体は少しの食べ物で命が維持できるように適応してきました。
しかし現代の日本はどうでしょうか?
食べ物が溢れ、体が必要とする以上の栄養とエネルギーを摂っているのではないでしょうか。
飽食の時代は人類の歴史から見たら、点に等しい時間しか経っていません。
体の遺伝子の情報は長い時間をかけないと変化しないことを考えれば、
飢餓にはある程度耐えられても、飽食には耐えにくく、具合が悪くなりやすいのです。
飽食で問題になる過剰なものにカロリーと油と科学物質がありますが、実は体のバランスをとるビタミンやミネラル、食物繊維そして植物栄養素などは
不足しています。
少食にすればカロリーはもちろん抑えられますが、
加工食品や外食などに多く含まれている油脂や添加物等の科学物質も意識して少なくすることが必要です。
そして野菜等は品種、栽培条件が昔と変わり栄養価が下がっていることを考えると、
多めに食べるべきでしょう。
最近の研究で長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)をONにすると長生き出来ることがわかってきました。
どうすれば遺伝子をONに出来るのでしょうか?
それは食事の量を腹7分目にすることだそうです。
つまり、カロリーを今までの70%に抑えましょうということなんです。
え、それだけで? と思うところですが、実はカロリーが少ないと体は飢餓だと判断して、
命を守るために長寿遺伝子をONにするというわけなのです。
やはり人類の長い歴史で培われた体のしくみはそう出来ているんですね。
おいしいものが回りにいっぱいあるなかで少食にするのはほんと辛いですが、
より健康で長生きできて、ダイエットにもなり、お金も節約できるとなれば、
ちょっとがんばってみる価値は大いにありますね。